ニュースリリース(詳細)
アジア太平洋地域における日本主導の
ホルモン受容体陽性/HER2陰性乳がん
国際共同医師主導治験をイーピーエスが支援
2023年7月6日
イーピーエス株式会社
医薬品開発支援のイーピーエス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:佐々 明、以下「EPS」)とGeorge Clinical(本社:オーストラリア シドニー)は、アジアの人々のアンメットニーズに対する治療選択肢の追加を目的とした、日本では先駆けとなるアカデミア主導の国際共同治験を協働で支援しました。
2017年1月より、EPSは、国立がん研究センター中央病院が新しい併用療法を確立するために実施した「HR陽性/HER2陰性の進行または転移性乳癌女性患者を対象に、パルボシクリブ+タモキシフェン(±ゴセレリン)併用投与とプラセボ+タモキシフェン(±ゴセレリン)併用投与を比較する、アジア共同、国際、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較第Ⅲ相試験(PATHWAY 試験/NCCH1607)」に参画しました。本PATHWAY試験は、国立がん研究センター中央病院とファイザー社(研究資金および治験薬を提供)との共同臨床研究です。
EPSとGeorge Clinicalは、アジア太平洋地域での事業を目的として2019年に戦略的パートナーシップを結び、主にがん、腎臓、代謝、心血管の治療領域で、これまでに20以上の試験を共同で実施しました。この相互の戦略的パートナーシップの下、両社はアジア太平洋地域およびグローバル臨床試験において協働しています。
本PATHWAY試験においても、2019年より、シンガポール、台湾において、George Clinicalと協働しております。
日本において医師・アカデミア主導の国際共同治験は、言葉の壁、人材不足、研究予算の制限などの理由によりあまり実施されておらず、本PATHWAY試験が国立がん研究センター中央病院の主導で実施されたことは大きな意味をもちます。
日本医療研究開発機構(AMED)は、2016年から2018年にかけて、日本における国際共同臨床研究の円滑化の推進に焦点を当てた、国際臨床研究中核センターの1つとして、2016年に国立がん研究センター中央病院を選定しました。本PATHWAY試験は、アジア人向けの治療法や新薬の開発に向けて重要な一歩となる、初の医師主導による国際共同治験(IIRDT:Investigator-Initiated Registration-Directed Trial)です。
EPSは、日本、韓国、シンガポール、台湾で実施された本PATHWAY試験において、依頼者である国立がん研究センター中央病院を支援してプロジェクトマネジメント、施設管理、モニタリング、データマネジメント、統計解析、総括報告書作成、施設監査、独立画像判定委員会事務局業務を実施し、依頼者との良好な協力関係の下で試験を円滑に進めました。また、George Clinicalは2019年よりシンガポールおよび台湾において、薬事、安全性報告、モニタリングを担当しました。
本PATHWAY試験は、十分な治療選択肢のない患者さんに新しく先進的な治療を提供するために、さらに依頼者が最も効率的かつ効果的な方法で治験を確実に実施するために、経験豊富なCROであるEPSとGeorge Clinicalが互いのサービスを組み合わせた戦略的パートナーシップの価値を示した良い例です。両社は、課題に対する積極的な解決策と、施設、現地のキーオピニオンリーダー、文化などに関する各国固有のナレッジによって、依頼者のニーズに応えてきた実績があります。特に、両社は現地の言語や文化に精通しており、これらの実績は異なる地域での特定の規制要件において有用です。
この第III相試験において、ホルモン受容体陽性(HR+)/ヒト上皮増殖因子受容体2陰性(HER2-)の進行・転移性乳がんの女性に対し、パルボシクリブとタモキシフェンの併用療法は、プラセボとタモキシフェンの併用療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善を示し、試験の主要目的を達成しました。
国立がん研究センター中央病院は、本PATHWAY試験の結果が、アジア太平洋地域で多く存在する、治療選択肢が少ない閉経前の乳がん患者さんにとって、大きなインパクトがあると考えています。なお、詳細な有効性および安全性の結果は、ASCO 2023にて発表されました。
国立がん研究センター中央病院は、この治験で得た経験とネットワークをもとに、アジア地域における多国籍がん臨床試験ネットワークと国際共同治験を恒常的に実施するための体制整備を目的とする、アジアがん臨床試験ネットワークプロジェクト(Asian clinical TriaLs network for cAncerS project;ATLASプロジェクト)を通じて、研究ネットワークの拡充を継続しています。
PATHWAY試験について
PATHWAYの詳細については、国立がん研究センター中央病院の発表をご参照ください。
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/information/2023/0220/index.html
イーピーエス株式会社について
イーピーエス株式会社は1991年に事業を開始し、治験や PMS*1を中心とした臨床試験を総合的に支援するCRO*2です。臨床試験を推進する機能のすべての入口となる「Trial GATE」というコンセプトに基づき、これまでの豊富な実績で培ったデータサイエンスの専門性とデジタル技術を生かし、顧客ニーズに応える新たなモデルを提案していきます。
- ウェブサイト:
- https://www.epsi-global.com/index.html
- https://www.eps.co.jp/en/
- LinkedIn:
- https://www.linkedin.com/company/eps.corp/
【本件に関するお問い合わせ先】
イーピーエス株式会社 広報戦略室
E-mail: koho@eps.co.jp
George Clinicalについて
アジア太平洋地域で設立されたGeorge Clinicalは、科学的な専門知識と卓越したオペレーションを特徴とする世界有数の臨床研究機関です。20年以上の経験を有し、アジア太平洋地域、米国、欧州の39の地域で、450人以上の従業員を擁し、バイオ医薬品、医療機器、診断薬の顧客に、すべての試験段階において、登録や市販後試験などあらゆる臨床試験サービスを提供しています。
- ウェブサイト:
- https://www.georgeclinical.com
- LinkedIn:
- https://www.linkedin.com/company/george-clinical-pty-ltd
- Twitter:
- https://twitter.com/george_clinical
- Facebook:
- https://www.facebook.com/georgeclinical
- WeChat:
- https://mp.weixin.qq.com/
【本件に関するお問い合わせ先】
Matthew Reabold
US Business Development責任者
電話番号: +1-760-645-0496
E-mail: mreabold@georgeclinical.com
ウェブサイト: georgeclinical.com | georgeinstitute.org
- *1 PMS:Post Marketing Surveillance(製造販売後調査)
- *2 CRO:Contract Research Organization(医薬品開発業務受託機関)