ニュースリリース(詳細)
DCTをテーマに患者さんとワークショップを開催
~患者さんと一緒に考えるこれからの治験~
2024年12月13日
イーピーエス株式会社
医薬品・医療機器・再生医療等製品開発支援のイーピーエス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役 山田 剛久)は、2024年10月25日に一般社団法人ピーペック協力のもと、メディデータ・ソリューションズ株式会社とともに、患者さんとの直接対話を通じて、より参加・継続しやすい治験の実現を目指して 「患者さんと一緒に考えるこれからの治験 ~分散型臨床試験で変わる治験参加体験~」と題したワークショップを開催しました。
***患者さんのご意見を視覚的によりわかりやすく共有するためグラフィックレコーディングでまとめました***
開催の背景
これまでの治験は、患者さんが定期的に通院しなければならない医療機関を中心とした手法で行われていました。しかし昨今の患者中心の医療の浸透やデジタル技術の進歩により、患者さんの治験参加に伴う「拘束時間」や「通院」の負担を軽減する、医療機関に行かずとも治験に参加できる「DCT:Decentralized Clinical Trials(分散型臨床試験)」という手法に期待が寄せられています。
DCTは日本でも普及しつつあるものの、導入実績はまだ少なく、また、患者さんの認知度も高くありません。そこで本ワークショップで、実際にDCTで使用するシステムの体験を通じてDCTを理解していただくとともに、患者さんの立場から従来型の治験やDCTに対する改善点、ご要望、ご意見などを伺い、患者さんが求めることと医薬品開発業界の考えとのギャップを埋める一助とするべく、企画・開催しました。
今回、DCTという一見堅苦しくなじみの薄いテーマも、絵で記録することで患者さんの発言がより活発になる効果を期待し、グラフィックレコーディングを取り入れました。
※グラフィックレコーディング(通称、グラレコ)とは
『記憶の記録』と言われ、議論や話し合いの内容をリアルタイムでイラストとキーメッセージで描き、話し手の温度感や感情も表現しながら全体の流れを記録する技法です。時間がたってもグラレコを見返すことで、その時の記憶がよみがえる効果が期待できます。
患者さんからのコメント
本ワークショップに参加いただいた患者さんのコメントを一部ご紹介いたします。
- 今回参加させていただいたことで、今まで治験に参加したいけれど家庭の事情があり通院が難しいことがネックでしたが、DCTが通常運用される世の中になれば周りの人や自分の為にも是非参加したい&参加できる!と自分自身の気持ちが大きく変わりました。
- 生活環境や価値観も違う被験者にとって、どのようにDCTを進めるのか、いろいろとハードルもございますが、どうかDCTを加速して進めていただきたいとの思いが、よりさらに強くなりました。是非、引き続き患者や家族当事者の想いや経験、声も活かしていただきながら、DCTを進めていただければと思います。
- 私たち患者や被験者の経験談の中でも、地方在住の皆さまの中にはとても苦労をされている方も多いので、DCTは今後の医薬品開発を促進していく中で、選択肢の一つとして拡げていただきたいと強く願っております。
患者さんとの対話から、従来型治験の課題はもちろんのこと、患者さんにとってより利便性の高いDCTにするためのヒントをたくさん得ることができました。また、本ワークショップを通じて、患者さん一人一人の声に耳を傾けることや、患者さんの視点から治験のあり方を見直すことの重要性を改めて強く認識することができました。
私たちCROは、日常業務において患者さんとの直接的な関わりはほぼありません。
しかし治験データの向こう側には患者さんの人生や想い、そして希望があることを常に念頭に置きながら、本ワークショップを通じて得られた患者さんの意見をしっかりと受け止め、製薬企業、医療機関、ITソリューションプロバイダーなどの関係者と共に、患者さんが参加しやすい治験環境の整備に全力で取り組んでまいります。
また、今回のワークショップを一過性のものとせず、患者さんとの継続的な関係性を大切にし、今後も患者さん中心の医薬品開発を推進し、より良い医療の実現に貢献してまいります。
イーピーエス株式会社について
イーピーエス株式会社は1991年に事業を開始し、治験やPMS※1を中心とした臨床試験および臨床研究を総合的に支援する CRO※2です。臨床試験を推進する機能のすべての入口となる「Trial GATE」というコンセプトに基づき、これまでの豊富な実績で培ったデータサイエンスの専門性とデジタル技術を生かし、顧客ニーズに応える新たなモデルを提案していきます。
一般社団法人ピーペックについて
ピーペックは病気をもつ人や、そのご家族、患者会、さまざまな企業、地域のみなさんとつながり、「病気があっても大丈夫」と言える社会の実現をめざしています。病気をもつ人の“こえ”をあらゆる方法で集積・発信することで、新しい価値に変換し、「どうしようもある世の中」を叶えていきます。
メディデータ・ソリューションズ株式会社について
メディデータは、臨床試験をサポートするデジタルソリューションを通じて、より良い治療とより多くの患者様の希望と人々の健康な暮らしの実現を目指し、ライフサイエンス分野におけるデジタルトランスフォーメーションを推進しています。3万4,000を超える臨床試験と1,000万人以上の患者様を対象とした画期的な技術革新の実績で25周年を迎えたメディデータは、業界の専門知識、分析に支えられた洞察、世界最大規模の患者レベルの臨床ヒストリカルデータを提供しています。これまでに、2,200社を超えるライフサイエンス企業や団体に採用され、100万人以上の認定ユーザーがメディデータのシームレスなエンドツーエンド・プラットフォームにより、患者体験の向上、臨床的ブレイクスルーの加速、治療法の早期市場投入を実現しています。メディデータは、米国ニューヨークに本社を置く、ダッソー・システムズ(ユーロネクスト・パリ:FR0014003TT8、DSY.PA)の傘下のグループ企業であり、世界各国に拠点を置き、各国またはグローバルでの臨床試験ニーズにお応えしており、調査会社であるエベレスト・グループとIDCから業界のリーダーとして認め評価されています。より詳細な情報は https://www.3ds.com/ja/、LinkedIn / Facebookの日本語公式アカウントページなどをご覧ください。
【本件に関するお問い合わせ先】
イーピーエス株式会社 広報担当
E-mail:koho@eps.co.jp
- ※1
- PMS:Post Marketing Surveillance(製造販売後調査)
- ※2
- CRO:Contract Research Organization(医薬品開発業務受託機関)