ニュースリリース(詳細)
患者参画(PPI)活動の効果を確認!
~同意説明文書の改善効果を患者アンケートで評価~
2025年11月26日
イーピーエス株式会社
医薬品・医療機器・再生医療等製品開発支援のイーピーエス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役 髙井 紀幸)は、2025年6月27日に一般社団法人ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会(VHO-net)と共に開催した同意説明文書改善ワークショップ※1の成果を基に、患者さんへのアンケート調査を実施し、同活動の効果と有用性を確認したことをお知らせいたします。
この同意説明文書改善ワークショップには患者さん10名と製薬企業担当者10名が参加しました。
ワークショップでは、患者さんからの意見聴取やディスカッションを通じて、その声を反映した「説明文書の改善案」を作成しました。
さらに、この改善案と元の文書について、ワークショップ参加者とは別の患者さん10名を対象に、理解のしやすさや安心感を比較するアンケートを実施し、PPI活動の効果を評価しました。
アンケート結果について
今回実施したアンケートは対象が10名と小規模なアンケートではありますが、8割の方が、ワークショップで改善した案の方が、元の文書に対して、「理解のしやすさ」や「治験参加への安心感」の面で肯定的に評価していることを確認できました。
これにより、PPI活動が治験の内容の理解度や治験参加への安心感を向上させることが示唆されました。
患者さんからのコメントを一部ご紹介いたします。
- 治験薬の作用機序について丁寧な説明があり、安心できた
- 専門用語が表で整理されていて分かりやすかった
- 主治医との連携が明記されていて安心感があった
- ページ数が多く読むのが大変だったが、図やイラストが多く理解しやすかった
▶上記の質問で選んだ回答の理由を選択してください(複数回答可)
- 説明の言い回しがやさしいため、理解しやすかった(3人)
- イラストや図を多用していて理解しやすかった(8人)
- 専門用語が理解しやすかった(6人)
- 具体的な事例を挙げていたので理解しやすかった(3人)
- その他(3人)
▶上記の質問で選んだ回答の理由を選択してください(複数回答可)
- 副作用などの説明が過度に強調されていなかったため(1人)
- 一般の人に寄り添った表現が使われていたため(5人)
- 治験薬の説明が具体的だったため(6人)
- その他(3人)
今後の展開
今回実施したアンケートでは、8割の方から改善案に対して肯定的な意見をいただきました。一方で、さまざまな理由で反映に至らなかったご意見や、情報量の調整といった今後の課題も明らかになりました。
イーピーエスは、これらの課題を再検証するとともに、PPI活動の推進を通じて、よりわかりやすく安心して治験に参加できる治験関連文書の作成や、治験参加者の負担軽減、治験のコンプライアンス、および治験継続率の向上に向けた活動を続けてまいります。また、本調査で得られた知見を踏まえ、同様のPPI活動およびアンケート調査を継続して実施し、その効果を評価・検証してまいります。
イーピーエス株式会社について
イーピーエス株式会社は1991年に事業を開始し、治験やPMS※2を中心とした臨床試験および臨床研究を総合的に支援するCRO※3です。臨床試験を推進する機能のすべての入口となる「Trial GATE」というコンセプトに基づき、さまざまな領域、フェーズの試験において医療機関や患者と製薬企業の架け橋となり、患者中心の臨床試験・臨床研究の在り方を追求して参ります。
一般社団法人ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会について
VHO-netは、疾病や障がい、保健医療福祉関係者、企業等の立場を越え、各団体のリーダーたちが集い、メンバーが主体的に活動に参加し、より良い医療の実現や生活の質の向上を目指して共に学ぶ場を創出してきました。そして、すべての人がより健康で住みやすい社会をつくり出すことを目的として活動を行います。
【本件に関するお問い合わせ先】
イーピーエス株式会社 広報担当
E-mail: koho@eps.co.jp
- ※1
- 治験同意説明文書をテーマに患者さんとワークショップを開催
- ※2
- PMS:Post Marketing Surveillance(製造販売後調査)
- ※3
- CRO:Contract Research Organization(医薬品開発業務受託機関)