ニュースリリース(詳細)

治験同意説明文書をテーマに患者さんとワークショップを開催~患者さんと一緒に考えるこれからの治験~

2025年8月4日
イーピーエス株式会社

医薬品・医療機器・再生医療等製品開発支援のイーピーエス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役 髙井 紀幸)は、2025年6月27日に一般社団法人ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会(VHO-net)と共催で、「患者さんと一緒に考えるこれからの治験~同意説明文書をもっとわかりやすく~」と題したワークショップを開催しました。
患者さんとともに開催するワークショップは、2024年10月に続いて2回目の開催となります。

治験同意ワークショップ

※患者さんからのご意見を視覚的によりわかりやすく共有するためグラフィックレコーディングでまとめました

開催の背景

2022年12月に発出された ICH-GCP E8(R1)において、「試験をデザインする早い段階で患者が参画することは、試験への信頼を高め、組入れを容易にし、試験計画の遵守を促進する可能性がある」と明記されました。
今回のワークショップは、その実践のひとつとして、よりわかりやすい同意説明文書の作成・改善に患者さんとともに取り組むために企画しました。
また本ワークショップには、製薬企業の担当者も参加しており、立場の違いを超えた建設的な対話を通じて、理解の深化を図る重要な場ともなりました。

患者さんからのコメント

  • 患者の思いをきちんと受け止めていただいたので、とてもうれしかったです。このように、患者としての意見をきちんと話せる場所がほしいし、患者ももっと学んで参加することが大切だと感じました。
  • 同意文書を読むのは具合が悪い時。元気な時に読むのは苦ではなかったが、具合が悪い時に読むことを考えたら、かなり大変かもしれません。丁寧でわかりやすく書かれていることも大切ですが、最低限必要な内容を図や絵などで見せる工夫も必要だと思いました。また、治験の目的に「未来」や「次世代」という言葉があってもよいのではないでしょうか。
  • 立場の違う方々と勉強できることはとても良かったと思います。同じ患者の立場でも疾病による違いや、患者さん個人の考えの違いがあり、製薬会社さんでも開発部門と販売部門の方々で違いがありました。すべてに寄り添うことは難しくても、より患者に寄り添った治験をおこなっていこうとされる体制が素晴らしいと思いました。

患者さんとの対話を通じて、同意説明文書の課題だけでなく、患者さんが理解しやすく納得して治験に参加できるようにするための多くの気づきが得られ、今回の取り組みが患者参画の推進や患者さんとともにこれからの治験を考えるうえでの重要なステップとなりました。
また改めて、患者さん一人ひとりの声に耳を傾ける大切さや、患者の視点から治験のあり方を見直す重要性を強く認識する機会にもなりました。

本ワークショップを一過性の取り組みとせず、今後も患者さんとの継続的な対話の場を設けながら、より患者さんに寄り添った医薬品開発を推進し、患者さんが安心して治験に参加できる社会の実現に向けて、引き続き取り組んでまいります。

イーピーエスの患者参画への取り組み

2024年10月に1回目となる「DCTをテーマにした患者さんとのワークショップ」※1を開催し、本年7月には広島大学との「医療専門用語の表現に関する共同研究」※2を開始するなど、患者さんの意見を医薬品開発に反映させるための取り組みを進めています。
またイーピーエスでは、患者参画および患者中心の医薬品開発や育薬を支援する専門組織を早期に立ち上げるとともに、患者アンケートや資材作成・レビューなどさまざまなサービスを提供する「Voicebook」ソリューションも展開しています。さらに、ICH-GCP E8(R1)発出以降は、「患者の声を活かした開発支援サービス」ならびに「患者の声を活かしたリスク最小化活動支援サービス」を追加するなど、開発段階から製造販売後に至るまで、患者さんの声を聴く活動を積極的に推進しています。

イーピーエス株式会社について

イーピーエス株式会社は1991年に事業を開始し、治験やPMS※3を中心とした臨床試験および臨床研究を総合的に支援するCRO※4です。臨床試験を推進する機能のすべての入口となる「Trial GATE」というコンセプトに基づき、さまざまな領域、フェーズの試験において医療機関や患者と製薬企業の架け橋となり、患者中心の臨床試験・臨床研究の在り方を追求して参ります。

一般社団法人ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会について

VHO-netは、疾病や障がい、保健医療福祉関係者、企業等の立場を越え、各団体のリーダーたちが集い、メンバーが主体的に活動に参加し、より良い医療の実現や生活の質の向上を目指して共に学ぶ場を創出してきました。そして、すべての人がより健康で住みやすい社会をつくり出すことを目的として活動を行います。

【本件に関するお問い合わせ先】

イーピーエス株式会社 広報担当
E-mail:koho@eps.co.jp

※1
第1回ワークショップ:DCTをテーマに患者さんとワークショップを開催
※2
広島大学との共同研究:中高生を対象とした医療専門用語の表現に関する共同研究を開始
※3
PMS:Post Marketing Surveillance(製造販売後調査)
※4
CRO:Contract Research Organization(医薬品開発業務受託機関)