ニュースリリース(詳細)

イーピーエス、RWDとAIを活用したデータ駆動型解析技術の特許を取得
~医療DX時代のエビデンス創出を支える基盤技術の実用化を推進~

2026年7月29日
イーピーエス株式会社

医薬品・医療機器・再生医療等製品開発支援のイーピーエス株式会社(本社︓東京都 新宿区、代表取締役︓髙井 紀幸、以下「EPS」)は、RWD※1(リアルワールドデータ)とAI(機械学習)を組み合わせ、研究・評価に活用可能なアウトカム定義※2の生成および情報の推定・構造化を支援するデータ駆動型解析技術について、日本において特許を取得したことをお知らせいたします。

本技術は、臨床検査値などの客観的指標を参照しながら、診断・処方・診療行為等の医療情報を機械学習により統合的に解析し、研究目的に応じたアウトカム定義の生成や、アウトカム評価に必要な情報の推定・構造化を支援するものです。
これにより、検査値を直接利用できない環境においても、データに含まれる多面的な情報から、研究・評価に活用可能な情報の抽出・設計が可能となります。

EPSは、本技術の実用化を通じて、RWDを活用したエビデンス創出の高度化と医療DXの推進に貢献してまいります。

特許概要

特許番号:
第7860642号
特許登録日︓
令和8年5月8日
発明の名称︓
アウトカム定義を生成するための方法、プログラム及びシステム

背景:RWD活用の拡大とデータ解釈の高度化

近年、RWDを活用した研究やエビデンス創出の重要性は急速に高まっています。
一方で、RWDは日常診療の中で記録されたデータであるため、研究目的にそのまま利用できるとは限らず、データから意味のある情報をどのように抽出・定義するかが、研究の信頼性や実用性を左右する重要な論点となっています。

特に、検査値の有無、記録粒度の違い、データベース間の構造差といった要因により、RWDの活用は高度な解析設計と解釈が求められます。
従来、こうした課題に対しては、医療機関での詳細確認を伴うバリデーション研究※3などが用いられてきましたが、コストや期間、適用範囲の制約から、より広範な活用に向けた課題が残されていました。

EPSは、こうした課題に対応するため、RWDとAIを組み合わせ、研究・評価に活用可能な情報を抽出・構造化する技術の開発を進めてまいりました。

特許技術について

今回取得した特許は、臨床検査値などの客観的指標を参照しながら、診断・処方・診療行為等の医療情報を統合的に解析し、研究・評価に活用可能なアウトカム定義の生成および情報の推定・構造化を支援する技術に関するものです。

本技術の活用により、検査値を直接利用できない環境においても、データに含まれる多面的な情報からアウトカム定義を生成し、研究・評価へ活用することが可能となります。

また、本技術の開発においては、異なるデータベースを用いた検証や、低頻度イベントにおける誤検出の抑制を含むモデル最適化の検討などを通じて、実用化に向けた知見の蓄積を進めています。
実データを用いた検証を通じて得られた知見を基に、最適なモデル構築方法や実装時の特性評価を進め、今後の発表および実装展開につなげてまいります。

期待される活用領域

本技術は、従来の個別テーマごとの定義作成や検証を支援する手法にとどまらず、RWDから研究・評価に活用可能なアウトカム定義を生成し、異なるデータベースでの活用可能性を広げる基盤技術として位置付けています。

本技術の活用により、製造販売後データベース調査※4、観察研究※5、アウトカム設計の高度化、複数データソースをまたぐ解析検討など、RWD活用の幅広い領域への展開が期待されます。さらに、データベースごとの差異を踏まえた一貫性のある解析設計や、データ活用の高度化を通じて、エビデンス創出の信頼性向上や医療DX推進への貢献が見込まれます。また将来的には、合成データ※6や仮想コホート※7の構築基盤としての応用も視野に入れています。

今後の展開

EPSでは、本特許技術の実用化を段階的に推進してまいります。

短期的には、本技術を用いた研究実績の蓄積および論文化を進め、学術的な裏付けを強化します。併せて、医療情報データベースの保有企業やデータベンダーとの連携を通じて、適用可能なデータ基盤の拡張を進めてまいります。

中期的には、本技術を活用した解析を通じて、製造販売後調査における再審査申請に向けたデータベース調査への応用を視野に入れ、規制対応への実装を目指します。

さらに長期的には、RWDとAIを融合した本技術の活用領域を拡大し、医薬品の承認申請を含む幅広い領域での活用を目指すとともに、データ駆動型の医薬品開発や薬事戦略に資する基盤技術としての発展を目指します。

役員コメント

取締役 副社長執行役員 草場 拓也

医療データの利活用が進む中で、RWDから信頼性の高いエビデンスを創出するためには、単にデータを収集するだけでなく、研究目的に応じて適切に解釈し、活用可能な情報へと構造化する力が重要になります。本技術は、RWDを活用したエビデンス創出の信頼性と実用性を高める基盤技術であり、医療DXの進展において重要な役割を果たすものと考えています。EPSは、医薬品開発支援で培ってきた専門性とデータ解析技術を生かし、製薬企業、医療機関、医療データ提供事業者の皆さまとともに、医療の発展に資する新たな価値創出に取り組んでまいります。

イーピーエス株式会社について

イーピーエス株式会社は1991年に事業を開始し、治験やPMS※8を中心とした臨床試験および臨床研究を総合的に支援する CRO※9です。臨床試験を推進する機能のすべての入口となる「Trial GATE」というコンセプトに基づき、これまでの豊富な実績で培ったデータサイエンスの専門性とデジタル技術を生かし、顧客ニーズに応える新たなモデルを提案していきます。

【本件に関するお問い合わせ先】

イーピーエス株式会社 広報担当
E-mail:koho@eps.co.jp

※1
RWD︓Real World Data(日常生活や医療現場で得られるデータの総称)
※2
アウトカム定義︓治療や介入の結果として評価する指標(アウトカム)を、どのようなデータや条件で判定するかを定めたもの
※3
バリデーション研究︓データや評価指標の正確性や妥当性を検証する研究
※4
製造販売後データベース調査︓製造販売後に医療情報データベースを用いて有効性や安全性を調査する手法
※5
観察研究︓治療や指示などの介入を行わず、対象を観察してデータを集める研究
※6
合成データ︓実データの統計的特徴を保持しつつ人工的に生成したデータ
※7
仮想コホート︓研究目的に応じて構成・再現した患者集団モデル
※8
PMS︓Post Marketing Surveillance(製造販売後調査)
※9
CRO︓Contract Research Organization(医薬品開発業務受託機関)